独断と偏見の子育て論

不登校になった時に親が先ずやった方がいいこと

全ての外出を拒否し自宅に閉じ籠っていた息子も状態が落ち着き、週2日の通学をするようになりました(不登校状態開始から2年ほど経過中)。

今ではこんな感じで話せる私も当時はかなり混乱し、自分を責めました。これまでを振り返って、「行き渋りがはじまった頃」から「学校を行かないと決め休み始めた頃」に親が先ずすることとして3点あげてみました。

結論から言うと、以下の3つを先ずすることをお勧めします。

先ずやった方が良いこと 3つ
  1. 「今ここ」に集中する
  2. 真っ先に子どもに安心を与える
  3. 親の悲しみ・不安を軽減する

不登校は子どもの「安心・安全」が危うくなった状態

本題に入る前に、不登校という状態が子どもにとってどういう状態なのかを考えてみたいと思います。

人の欲求は5段階になっているという考え方があります。これはマズローの5段階欲求理論と言われていて、一番下から「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」とされています。

この欲求が満たされていく時には順番があって、一番下の欲求が満たされると次の欲求へと進みます。人の最上位の欲求は一般的には「自己実現欲求」とされていて、誰もがこの状態になると「生き生きと輝いた状態」になります。

このように、マズローの5段階欲求理論を用いると「不登校」「安全の欲求」が脅かされている状態といえます。「不登校」にはマイナスなイメージがついて回りますが、「安心・安全」が何らかの理由で危うくなっていることを自分で感じとり、自らそれを避けようと行動できたとも言えます。自分を大事にできるからこそ「学校に行かない」という選択ができたともいえるのではないでしょうか。

自分の安全が脅かされているから「いかない」と自分で決めた

これを心に留めながら親が先ずやった方が良いことに進んでみましょう。

「今ここ」に集中する

私自身、息子が学校に行かなくなった時、やはりショックで混乱しました。

この記事を目にされている方の中には、「どうして自分の子どもが・・・」「いったい学校で何があったのか・・・」「どうしてこんなことに・・・」など「どうして?」「なぜ?」「これからどうなるの・・?」で頭がいっぱいになっている方もいらっしゃるかもしれません。

一旦、「どうして」「なぜ」「これから先いったい・・」と考えることをやめてみませんか?

「どうして・なぜ」と原因を探っている状態は過去に生きてます。「これから先いったい・・・」とリスクを先取りしている状態は未来に生きています。頭の中の過去と頭の中の未来ではなく、目の前にいる子どもの今の状態に目を向けていくことが子どもを支えていく上で何より大切なのではないでしょうか。

子どもにとって良いだけではなく、親自身の精神状態を健康に保つ上でも「今ここ」に目を向けることは効果的です。というのは、原因を知りたくて「どうして」と何度も反すうして過去について考えていると「うつ」を招きます。また、将来が心配でリスクに備えたいと未来について考え過ぎると「不安」が生じます。

子どもを支える上で、親の精神状態を健康に保つことは必須です。過去でもなく未来でもなく、今ここから始めてみませんか?

「今ここ」に集中する

真っ先に子どもに安心を与える

子どものマズローの5段階欲求ピラミッドを見てみると、下から2段目「安全の欲求」から上が崩れていて「生き生きと過ごす」ことができていない状態です。

不登校になった時に限らず、親にできることは、このピラミッドを完成できるように子どもを支えることです。

もし・・・この「安全の欲求」の下層の「生理的欲求」が崩れてしまったときは・・・「食べられない」「眠れない」などの症状があらわれてくる恐れがあります。そうなった時は速やかに小児科などの受診をお勧めします。

今、子どもにとって必要なことは「安心して過ごす=安心して休む」ことです。家庭が安心できる場所になるようにしてみましょう。

先ず、子どもが安心できる環境を準備

親自身の悲しみ・不安を軽減する

子どもの安全・安心を確保することと同時に、親自身の心のケアをすることも大切です。「不登校」は障がいとまではいかなかもしれませんが、これまでの生活スタイルを一変させる程の出来事であるからです。

親は保護者という立場上、子どもを見守る必要がありますが、半強制的に親自身が経験のない先の見えない状況に放り込まれます。親自身もどうしてよいか分からない状況になるので、明日のことも分からない程、追い詰められてしまうのも事実だろうと思います。

障害を受け入れるプロセスをベースに「不登校」を受け入れる状態を表すと、図のようになります。「適応」まで進めるとかなり楽になるのですが、多くの方が「否認」と「悲しみ・怒り」の中をぐるぐると巡ってしまうのではないでしょうか。

このため、親の悲しみ・怒りをケアすることはとても大切になります。

実は、怒りの根底にあるのは悲しさです。自問自答でもよいのですが、自分の気持ちを押し込めずに話を聴いてくれる人がいらっしゃったら、話して気持ちを開放し、不安や悲しみを意識的に軽減することをお勧めします。

怒りの根底にあるのは悲しさ

まとめ

いかがでしたでしょうか?

子どもが「がっこういきたくない」と口にしたとき、先ずしてほしいこと3つ。

参考にしてみてください。

  1. 「今ここ」に集中する
  2. 真っ先に子どもに安心を与える
  3. 親自身の不安・悲しみのケアをする

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