わたしの子育て

「こどもの居場所を広げる」ときに心がけたこと3つ

❝学校にいかない❞と決めたのは良かったものの、「このままずっと引きこもり状態になったらどうしよう・・・」そんな不安もありました。

何より、私の場合は息子が私が見えなくなると家の中でも追いかけてくる状態で、距離が近過ぎて苦しかったのです・・。

母自身の自己実現を目指すことへの難しさ 私の実録(2022.3.21) 現在、学校にも放課後デイサービスにも行かない日が続いています・・ 学校にもデイサービスにも...

最初はそんな不安と焦りから自宅以外に過ごせる場所を必死になって探していました。

がむしゃらに藁をもつかむ思いで動いていたのですが、その過程で得た「こどもの居場所を広げる」ときに心がけたことをお伝えしたいと思います。

結論から言うと以下の3つとなります。

こどもの居場所を広げるとき心がけたこと

「親だけが頑張らない」 心理士さんのことばから

❝親以外❞の安全基地をつくる こはけんさんの研修にて

「きっかけを準備する」 イギリスのことわざから

息子の居場所事情

本題に入る前に息子の居場所事情を簡単にご説明します。不要の方は省略ください。

息子は知的障害自閉症を持ちます。学校に行けなくなった時、転校も考えていました。転校先には、少人数の普通学校フリースクールがありました。また、学校などに所属しないオンライン・家庭教師などのホームスクーリングも検討していました。

しかし、どれも知的障害自閉症という特性上、参加・利用が難しいことが次第に分かってきました。それ以前に当時の息子は母から離れることができない状況でした。

そんな中、息子のいる場所として最も重視することはいったい何なのか考えたとき、母から離れて安全に過ごせることが一番大事で、もともと所属していた支援学校が最適という判断に至りました。

真っ新な状態で選択肢をあげてみる

そんな経緯で息子の居場所は元の学校を中心に広げることになりました。

それでは「こどもの居場所を広げるときに心がけたこと」をご紹介します。

親だけが頑張らない

息子の不登校の状態を学校側は「過剰適応」だと判断したようで、それについて心理士さんに説明を受けていた時のことでした。

学校側が本人の困りごとに気付かない

本人は困りごとを伝えることができない(先生にも、親にも)

母は困りごとの存在を認識できない(学校側からも本人からも報告がない)

知的障害自閉症の特性も影響して、こんな状態が起きてしまい、本人の本当の気持ちは置き去りになっていたようです。

そんな状態を打破したく、できることを必死になって探していたのですが、心理士さんから「お母さんだけが頑張ってもうまくいくものではないですよ」と言われました。

もしかしたら、心理士さんの目には私の学校側への怒りが見えていたのかもしれません。正直に申し上げると、学校側の対応に不満がありました。学校にいけない原因が息子にあると言われたように感じていたからです。何度か学校側と話をしましたが、「個別対応はできない」と言われ、具体的な提案もなかったので私自身すっかり学校への信頼を無くしていました。

その言葉のおかげで、頭に血が上りかけていた私は、感情で突っ走るのではなく、学校側の協力を得ながら進めていくための冷静さを保つことができました。

感情で突っ走らない

❝親以外❞の安全基地をつくる

愛着」という言葉をご存じでしょうか?アタッチメントとも言われていて、赤ちゃんが養育者(特に母親)との関りに於いて形成される心理的な結びつきのことで、信頼の土台となるものです。養育者と「愛着」形成されると、その愛着の対象者を「安全基地」にして不安や危険を感じたときに身を守ることができます。そうやって、少しずつ養育者から離れて行動すること(探索行動)ができるようになります。そうやって活動範囲を広げることが可能になっていきます。

20年ほど前にもこの概念はあったのですが、当時は「母親以外と形成されるのは難しい」とされていました。しかし、現在では「親以外でも愛着は形成される」とされていることをこはけんこども発達支援研究会)さんの研修で学び、息子が過ごす場所を広げる糸口にしてみようと思いました。

「親以外でも」愛着は形成される

きっかけを準備しておく

「馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」

イギリスのことわざ

これは、「水を飲むかどうかは馬次第なので、人は他人に対して機会を与えることはできるが、それを実行するかどうかは本人のやる気次第である」というイギリスのことわざです。

これを不登校に当てはめてみると「学校などに行くかどうかは子ども次第なので、学校などに行くかどうかは本人のやる気次第だ」ということになります。

その通りだと思います。

自然と本人が行動を起こすことが理想ですが、実行するかどうかの選択をするきっかけは親側で与えてみても良いと思います。本人の状態が落ち着いていることが大前提となりますが、大切なのは「本人が選んだ結果に一喜一憂することなく受け入れること」「してもしなくても良い状態をつくること」です。

安心して選択できる環境を準備することで本人の「意思決定」が促され、「自己理解・自信」に繋がります。

安心して選択できる環境をつくる

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「こどもの居場所を広げる」ときに心がけたこと3点のご紹介でした。

  1. 親だけががんばらない
  2. 「親以外」の安全基地をつくる
  3. きっかけを準備しておく

以上、参考になりましたら幸いです。


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